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硫黄島からの手紙

一つクイズを

軍隊においてもっとも重要なもの。重要だというのに太平洋戦争当時、より沢山保有していた米軍よりも日本軍の方が無駄に浪費していたものはなんでしょう?

答えは簡単です。兵隊の命。

親父をさそってクリント・イーストウッド監督の硫黄島二部作のうちの「硫黄島の手紙」を観てきました。ちなみにもう一作の「父親たちの星条旗」はまだ観ていないです。

観て感じたのは、非常に邦画っぽいのに今の日本にはこれほど淡々と戦争を描けないよなぁってコト。そして旧日本軍の「間違った」精神論ですね。
旧日本軍では、戦況が不利になり絶体絶命に陥ると特攻や玉砕が推奨されるような風潮にありましたが、これは戦国時代の武士の精神論が根付いた結果であり、当時の足軽に相当する一般の兵隊にまで強要されるようなモノでは本来ありません。もっとも戦国時代だと敵も同じ日本人なので、捕虜にすることで敵の戦力として寝返る恐れがある為、捕虜になることを嫌うことはあり得ます。しかし、太平洋戦争当時、日本兵が米軍の捕虜になったとしても米軍に編入されて戦力として使われる恐れはまずあり得ないので、捕虜になるくらいなら死を選べという教育は、戦略的に見ても的はずれと言わざるを得ないなぁと。
当時、兵の命より大切にされていた「天皇陛下から頂いた兵器」は万が一敵に渡れば日本を攻める戦力と成り得ますが、兵は生きて捕虜になれば終戦後に国の再建力となるだけでなく、自決するよりよっぽど米軍の手間をかけさせることができるんですから、それが理解されていれば良かったのになぁと思います。
玉砕ってのは負けるだけでなく、その後の米軍の手間を煩わせない米軍にとってはむしろ楽な手段ですから。

そう言う意味でむやみに玉砕することを選ばずに米軍上陸後、実に36日間も防戦した栗林中将は、当時の日本軍において貴重な人材だったと、この映画を見ることで痛感させられます。
しかしその配下に以前旧態依然とした思想を持った将官が多く、栗林中将の思惑を外れた行動が多くあったこと、そして連絡の不自由からそれがなかなか止められなかったコトの栗林中将の苦悩も良く描かれていたと思いました。

本当にこの当時の日本軍はもっともっと、戦前に渡米していた人材の意見を有効に活用していればなぁと思います。まぁ活用していても戦争自体は避け得なかったと思いますが。

この映画。全体的に地味で観た後気分が晴れるようなものではありませんが、自分達を含む戦争を知らない世代は観ておいて損はない作品だと思いましたね。ただし楽しいことがある日の前日とかに観るのはお薦め致しません。気分沈んじゃいますから。

最後に補足トリビア(半ば死語)
映画のタイトルは「いおうじまからのてがみ」ですが、舞台となった島の名称はアメリカでは「いおうじま」、本来の読みは「いおうとう」で、国内で「いおうじま」と言うと鹿児島県にある島を指しますのでお気を付け下さい。
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1件のコメント

[C113] 今頃ですが、観てきました

 観て思ったのは、この映画のすごいとこは、元敵対国のアメリカで作られた映画であること。
そして、問題のあるところは、アメリカで作られた映画であることです。それぞれの主語は異なってますが。(前者は作品、後者は日本映画業界)
本当に淡々と戦争が描かれていたと思います。そして感心したのがアメリカの映画でありながら、アメリカ兵の不法行為も描いている点でした。
また、観ていて何度も思ったのが「これ邦画じゃないんだよな」。描き方が昔の邦画という感じで、さらに歪んでいない日本が描かれており衝撃的でした。
クリント・イーストウッドすごい。
  • 2007-02-02
  • nymkmono
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まことbis

Author:まことbis
Twitter:@makoto_bis

東京都の○○区在住のしがないガチャ改造モデラー(?)です。
昔はプラバン使ったフルスクラッチがメインで「プラバンの魔術師」を自称してましたが、やっぱり趣味に時間が取れなくなると気軽にできるガチャ改造のほうがやりやすくって…

メカ/キャラ共にまんべんなく手を出していますが、とりあえずのフェイバリットはボールジョイントなどを使用したアクションフィギュア化改造です。
その関係上、新製品レビューでの視点は、あくまでも改造の素体と割り切り、どう弄ればより良くなるかという方向性が主ですので、予めご了承下さい。

あと、新製品だろうとレアな限定品だろうと自分が気に入らないとあっさりと改造しちゃう件についてもご了承願います。

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