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首の挿げ替え~時としてオリジナルより良くなったりする実例~

この前秋葉原行ってきたときに、ヨドバシカメラ7Fの書店で買ってきた本を現在通勤時に読んでますが、たぶん今日いっぱいで読了予定。

今読んでいるのは光人社から出版されている「世界の仰天機」。文庫にしちゃあ価格が4桁と高めだったんですが、これをついつい衝動買いしちゃったのは、後ろのほうの章に出てくる「他国で変遷した機体」が読みたかったから。というか個人的にかなり好きな戦闘機であるメルケモラーヌが3面図入りで紹介されていたからなんですよ。しかしまさかあんな現地改修に近い機体の3面図が本に載るようになるとはねぇ。

ちなみにこのメルケモラーヌ(メルケモランって書かれてる方が多数派だけど、個人的にはモラーヌって音感のほうが好みなので、こちらで呼ばせてもらいます)って戦闘機について、このブログ読んでいる人はたぶん知らないほうが多いように思いますので、ちょっと薀蓄を。

原型となっている機体はフランス製のモランソルニエMS-406戦闘機。この戦闘機、ちょうど世界の戦闘機が複葉から単葉に変遷して、折角だから着陸用の脚も飛行中は畳もうよ、っていう流れに沿い始めた頃に作られた機体で、一応は零戦あたりの同期ってことになります。

とはいえ当時既に一流のつもりが二流に成り下がっていた頃の仏航空技術によって開発されただけのことはあって、エンジンが液冷のイスパノスイザ12Y(860hp)つまり零戦のエンジンである瑞星や栄よりも小馬力、機体構造は伝統的な鋼管帆布貼りと革新さのかけらもなく、着陸時に使用する尾輪もタイヤじゃなくて固定式のソリ(だから尾輪って表現はおかしいな)という体たらく。武装もプロペラシャフトから発射できる20mmモーターカノンと、あとは7.5mm機銃2挺と零戦より控えめ。つまるところあらゆる面で零戦はおろか、他国の主力戦闘機よりも大幅に劣る二流戦闘機ってワケです。そのワリにものすごく複雑な電気配線とかしていて、寒すぎると機関砲が撃てなくなるとか、コクピット近くに被弾したら引き金も引いてないのにいきなり機関砲が発射され始めたとかの逸話もちらほら。

こんな戦闘機ながら、当時旧ソビエト軍の脅威にさらされていたフィンランド空軍がどんなものでもいいから使える戦闘機が欲しいってことでお買い上げ頂き、母国フランスでは考えられないくらいの働きをするんですが…

戦争も後期に入って、流石にMS-406じゃあ戦闘機としては辛くなってきたなぁと言う頃(一応その頃にはナチスドイツより名機メッサーシュミットMe109Gを購入していますが)、でもそれなりに機材としてはまとまった数があったので、このMS-406を改造して強化しようと考え、実行に移された結果登場したのが、先のメルケモラーヌ、和訳するところの「超モラーヌ」です。つまりこの戦闘機はある意味フィンランド製って言っていいのかも。

このメルケモラーヌ、実のところエンジンはソビエト製のクリモフM-105(1100hp)をドイツより(この辺はいろいろと紆余曲折があるんだけれど、要は鹵獲した機体から外したエンジン)購入して、HS12Yの代わりに取り付けてまして、その関係上3割近いパワーアップを果たしています。

この説明だけだとなんか無理やりどっかのエンジンに挿げ替えた改造機って感じですが、このM-105エンジン、実はソビエトがHS12Yエンジンをデッドコピーしてボアアップしたという、いわば海賊版HS12Yといってもいいもの。そのお陰で若干サイズアップして重量も重くなっているのに、エンジンの取付金具の位置とかはほとんどジャストフィットだったとか。それでもエンジンが重くなった分トップヘビーになってしまったのを、プロペラシャフトの機関砲を20mmモーターカノンから、またもソビエト製のベレシン12.7mm機銃に挿げ替え、辻褄あわせにコクピット背部の装甲版を厚くしてバランス取ったらあっさり解決。

かくして敵国であるソビエトの装備品を身にまとい、もはや二流以下の戦闘機が、どうやら第一線でも戦闘爆撃機としてなら使えるように復旧できたっていうんだから、やっぱり戦争ってのは皮肉なもんですね。

実はこのメルケモラーヌのやってることって、某ダメダメなギャルフィギュアを買ってきて、別メーカーの頭部に挿げ替えてそれなりに見れるフィギュアにしちゃうお手軽改造と会い通じるところもあるような…

…そういえば在庫のキットの中に簡易インジェクションの1/72scaleメルケモラーヌがあったはず、勇気出してそのまま組み始めるか、それともハセガワ製の1/72MS-406から改造するか、キットの中見てから色々計画練ってみようかな?
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まことbis

Author:まことbis
Twitter:@makoto_bis

東京都の○○区在住のしがないガチャ改造モデラー(?)です。
昔はプラバン使ったフルスクラッチがメインで「プラバンの魔術師」を自称してましたが、やっぱり趣味に時間が取れなくなると気軽にできるガチャ改造のほうがやりやすくって…

メカ/キャラ共にまんべんなく手を出していますが、とりあえずのフェイバリットはボールジョイントなどを使用したアクションフィギュア化改造です。
その関係上、新製品レビューでの視点は、あくまでも改造の素体と割り切り、どう弄ればより良くなるかという方向性が主ですので、予めご了承下さい。

あと、新製品だろうとレアな限定品だろうと自分が気に入らないとあっさりと改造しちゃう件についてもご了承願います。

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